岩泉型インターンシップ

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地域×キャリアデザインプログラムin岩泉 報告1

2024.9.1

2024集合写真

「地域×キャリアデザインプログラムin岩泉」が終了しました。2016年に岩泉型インターンシップとして始まり、コロナ禍で1回オンラインになったものの、今年で9年目。今年は首都圏と岩手県内の5大学7名の学生が参加してくれました。今年は学生の出身地が多様で、南は福井県、北は青森県まで1都5県。

大学や学部はもちろん、学年や出身なども違う学生と交流して、刺激を受けることが出来るのもこのプログラムの特徴の一つです。

さて、今年は新しい試みが多かったので、報告も兼ねて書いていきます。

・名称は変更しても意義は変わらず
今年はまずは名称が変わりました。岩泉型インターンシップ(地域志向型インターンシップ)から地域×キャリアデザインプログラムに、大きく変わりました。これは国の方針によるもので、目的や内容が変わって名称を変えたわけではありません。簡単に説明すると「インターンシップは就職活動に直接結びつくものに限る」という方向性を国が示したため、インターンシップというワードを外しました。

私たちは「地方で働く」こと、「地方で暮らす」ことを、卒業後の選択肢の一つとして、考えて欲しいわけで、特定の企業に就職してもらう事を目的とはしていません。卒業後の自分のキャリアを、地域と結びつけて考えてもらう、新名称にはそんな思いが込められています。ちなみに、新名称の「地域×キャリアデザインプログラム」については、岩手県内で同様のインターンシップを実施している地域と話しあい、決定をしたものです。

手作り豆腐を食べる

・避難所体験
さて、例年宿泊場所はふれあいらんど岩泉のコテージを使っていましたが、今年度は改修工事のため使えませんでした。予算的な問題もあり、なかなか代わりの良い宿泊場所が見つからず、最終的に岩泉町役場小本支所と岩泉町農業体験交流施設の2か所を使用しました。

農業体験交流施設は洗濯機や乾燥機、風呂もある立派な施設ですが、立地場所が見事なまでの山奥。送迎等を考えると全泊そこは厳しく、最終的に前半は小本支所、後半を農業体験交流施設にしました。

但し小本支所は宿泊施設ではありません。ただこの小本支所、東日本大震災時に浸水したことから現在の場所に移転。その際に三陸鉄道の岩泉小本駅と津波防災センター、そして役場の小本支所が併設する形になりました。そのため避難所としての機能も備えており、シャワー室や調理室などが設置されています。

日本の避難所事情は、災害が起こるたびに色々と指摘されるわけですが、災害が起こる前にそれを知ることはあまりありません。そこで今回は、あえて災害時用の段ボールベッドを使用し、津波防災センターに宿泊してもらう避難所体験を行いました。

参加した学生たちからは「ダンボールベッドが硬かった」など、決して快適ではなかった感想が出る一方で、貴重な体験として捉える意見も出て思いのほか好評だったようです。

今年初めに起きた能登半島地震では、未だ避難所暮らしの方もいらっしゃるようです。学生たちがこの経験を通じて、災害や被災された方について、よりリアルに考えるようになってくれればと思います。

ダンボールベッド

次回は、今年度新しく行ったプログラムについて書いていきたいと思います。

一般社団法人 KEEN ALLIANCE
岩泉町移住コーディネーター穴田光宏